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人工内耳

難聴の大半は、内耳に起こる障害が原因であるといわれています。 通常、音は「外耳→中耳→内耳→聴神経→脳」へと伝わっていきます。しかし、内耳に障害が起こっている場合、いくら音を送り込んでも、内耳より奥に音の信号が伝わらず、音を聞くことはできません。

そこで、障害が起こっている内耳を飛び越えて、聴神経に直接音の信号を入れれば良いのではないかということで適応されているのが「人工内耳(じんこうないじ)」です。
「人工内耳」は現在世界で最も普及している人工臓器の一つであり、補聴器の装用効果が不十分である聴覚障害者に対する唯一の聴覚獲得方法なのです。ここでは、人工内耳の仕組みや適応者、メリット・デメリット、費用などを詳しく説明していきます。

人工内耳の適用者

日本での人工内耳の装用者数は、1985年~2008年で計5,700人。2008年以降は、毎年約500人ずつ増えているといわれているため、現在の装用者数は約10,000人を超えていると言われています。 「人工内耳友の会会報」 人工内耳は難聴者全員が適用できるわけではありません。適用条件は下記のように定められています。

【成人】

  • ‐90dB以上の高度難聴
  • ‐補聴器装用の効果が乏しい人
  • ‐全身麻酔の手術が可能であれば年齢制限はなし
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

【小児】

  • ‐原則1歳以上
  • ‐聴力検査で90dB以上の高度難聴がある
  • ‐少なくとも6ヵ月間補聴器を試みても聴覚活用ができない
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

人工内耳の仕組み

人工内耳は、体外部分と、手術で体内に埋め込まれる部分(インプラント)に分けられます。
体外部分は、マイク・音声処理部(スピーチプロセッサ)、送信コイルに分けられます。インプラントには、受信装置と電極がついています。
インプラントの受信装置と、体外部分の送信コイルには磁石がついていて、頭の皮膚を挟んでくっつくような構造になっています。人工内耳をとおして音を聞く仕組みは下記の1~5のようになっています。

  1. 1. マイクで音を集める
  2. 2. スピーチプロセッサでデジタル信号に変換
  3. 3. 変換されたデジタル信号は、送信コイルを通じてインプラントの受信機に送られる。
  4. 4. 受信装置を経由して電極に信号が送り込まれる
  5. 5. 送り込まれた信号により電極が周りの聴神経を刺激し、その刺激が脳で音として認識される

メリットとデメリット

障害が起こってしまった内耳の代わりとして、音を伝えることのできる人工内耳。 では、人工内耳にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

最大のメリットは、「聞こえの良さ」といえます。内耳の有毛細胞が損傷してしまっている場合、補聴器でどんなに音を大きくしても音を感知することは難しく、聞こえはよくなりにくいです。
しかし、対外部分にあるマイクで集めた音がインプラントを通して聴神経に伝えられるため、音は伝わりやすく、結果として聞こえがよくなるケースが多いのです。

デメリット

デメリットは「行動の制限がかかる」ことといえます。
MRI検査は強い磁気が生じます。そのため、人工内耳の埋め込み手術の後は、MRI検査を受けるには制限が加わることになります。 また、格闘技など人工内耳を埋め込んだ耳の後ろの部分に強い衝撃が加わる可能性のあるスポーツは避けなければいけません。埋め込んだインプラントを壊さないようにするためです。
ただし、入浴や洗髪、水泳などは対外装置をはずせば可能です。人工内耳はインプラントを頭の中に埋め込みます。基本的に、埋め込んだインプラントを壊さないように注意して行動することが必要になってきます。

人工内耳装用後の生活

人工内耳の埋め込み手術をしたからといって、すぐに聞こえが良くなるわけではありません。また、どんな場所でもよく聞こえるようになるわけでもありません。
手術後1~3週間程度たって、傷が癒えたころにサウンドプロセッサを装着します。そこで初めて人工内耳を通した聞こえを体験します。その後、人工内耳のインプラントの各電極の刺激レベルを調整(これを「マッピング」といいます)しながらリハビリを行っていきます。これらは、言語聴覚士によって行われます。

では、なぜ人工内耳埋め込み後のリハビリは重要なのでしょうか。
小児の場合は先天性難聴の場合が多いです。
音を聞くのは耳だと思われがちです。しかし、実は耳は音を集めているだけで実際に音を聞いているのは「脳」なのです。音を聞く脳は2~4歳で活発に発達すると言われています。この期間を逃してしまうと、音を聞く脳がなかなか発達しません。小児で人工内耳の手術を行った場合、人工内耳を通して音や言葉を覚えていくことになります。人工内耳を通して音を聞く訓練をきちんと行い、音が脳に伝わるまでの聴覚ネットワークを作ってあげることが必要になるのです。 成人の場合、大半は中途失聴。人工内耳を通して初めて音を聞くと、本来の音(以前聞いていた音)と違って聞こえたり、うまく人の声が聞き取ることができなかったりします。しかし、リハビリを行っていくことで、過去の記憶と照らし合わせながら少しずつ聞こえは良くなっていきます。

どこまで聞こえが回復するか、良くなるかは個人差があります。 人工内耳を装用したら聞こえが良くなるわけではなく、その後のリハビリを根気強く行うことがとても大切なのです。

費用

人工内耳の埋め込み手術は平成6年から健康保険が適用になりました。 世帯収入や治療状況により異なりますが、自立支援医療制度や高額療養費制度の対象となります。
人工内耳埋め込み手術にかかる費用は総額400万円といわれています。(人工内耳:約260万円/手術費用:約40万円/入院費他:100万円) 1台目であれば、健康保険や高額療養費制度などの適用により、1~10万円程度の自己負担となります。 両耳装用の場合や故障した場合など、2台目は保険がきかず高額になるため注意が必要です。 (※詳細は、医療機関や各市区町村の担当窓口にお問い合わせください)

かかる費用は、埋め込み手術の費用のみではありません。電池代やスピーチプロセッサの維持費なども定期的に必要になります。それぞれの費用は、メーカーによって異なったり、地域によっては助成金が出されたりするところもあるため、事前に確認しておくことが必要です。

保険適用になりますが、自己負担は0ではありません。 手術費、そしてずっと使用していく中でかかる費用はきちんと確認をしておきましょう。

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聴覚障害を持っている人で、補聴器装用の効果が不十分な人にとっての唯一の聴覚獲得法であるといえる「人工内耳(じんこうないじ)」。これは世界で最も普及している人工臓器の1つです。
どのようなものなのかをきちんと理解して、自分に最も合った選択を行ってください。
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